普段、実用的な本を紹介することが多いのですが、今回は、趣向を変えて
いつもとはちょっと違った作品を紹介します。
数年前にスタジオジブリから映画化もされたので、ご存知の方も多いかもしれません。
ファンタジー小説の名作 『ゲド戦記1 影との戦い』 です。
私は中学生のときに、この本と初めて出会いました。
「言葉は沈黙に 光は闇に 生は死の中にこそあるものなれ
飛翔せる鷹の 虚空にこそ 輝けるごとくに」
当時、全く意味が分からなかったにも関わらず、この詩を何度も何度も
暗記するまで覚えたことが懐かしい思い出です。
主人公の魔術師、ゲドが禁じられた呪文を唱えてしまったことで
世界を滅ぼしかねない「影」を召喚してしまい、その影と戦うために
世界の果てまで旅にでる...
さて、ストーリーはこれぐらいにして、今回、この本を紹介した理由の一つは、
自分の中の影(シャドウ)と、どのように向かい合っていくのかについて、
とても示唆にとんでいるからです。
物語の素晴らしいところは、登場人物と一体となったり、ときには、反発
しながらも、自分自身と重ね合わせながら、読めることでしょう。
物語の最後に、ゲドが自分の「影」を追い詰めます。
そして、そのときゲドが取った行動は何だったでしょうか?
コーチングをしていると、クライアントの中に、そして、私たち自身の中に
見たくないもの、影(シャドウ)を見ることがあります。
そのとき、影(シャドウ)から逃げるのではなく、向かい合うときに、
人は大きく変容を遂げるということを、主人公であるゲドの生き方を通して、
この小説は教えてくれているように思います。
『ゲド戦記1 影との戦い』 アーシュラ・K. ル・グウィン (著), 清水 真砂子 (翻訳)


